fMRI の BOLD 信号って何?

放射線画像
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BOLD: Blood Oxygen Level Dependent
ほうほう。で? どゆこと?
 

MRI 画像に対するざっくりした理解

強い均一な磁場内に、磁化率の違うものが置かれると、そのものの内部・周囲に磁場の変化・歪みが生じる。
この歪みはプロトン信号を弱める ≒ MRI 信号を弱める。
つまり、物質毎の磁化率の違いによって、MRI 信号の強度は変化し、これが MRI 画像のコントラストの差を生み出す。

血液の磁化率は酸素結合で変化する

血液中で酸素運搬を担っている赤血球には、ヘモグロビンが含まれる。

ヘモグロビンは、酸素分子と結合しているときは反磁性体(磁場をかけると磁場と逆向きに磁化される物体)だが、
酸素分子を放出しデオキシヘモグロビンとなると、常磁性(磁場をかけると磁場と同じ向きに磁化される物体)を示す。

酸素濃度が低い ≒ デオキシヘモグロビンが多い静脈では、その内部および周囲にわずかながら磁場の歪みを生じる。
そして、この歪みがプロトン信号を弱める。

この現象が、BOLD(blood oxygen level dependent)効果と呼ばれている。

fMRI における BOLD 信号とは

神経活動時の血流の変化

fMRI は神経活動を見ている脳機能画像と位置付けられているが、この画像信号はそもそも神経活動時のどういう変化に依存しているのか?

脳の神経活動として我々が気にしているのは、基本的にはニューロン間のやり取りだから、
一般的に「脳のこの部位が活発に動いている!」というのは、神経細胞周囲のシナプス活動が増加していることとほぼイコールと考えられる。

シナプス活動が増加すると、そばにあるアストロサイト(グリア細胞の一種)やニューロンがそれを感知し、血管拡張物質を血管壁に送る。
これにより、その部位の脳血流が増加する

この血流増加は、神経活動の増加による酸素消費の増加を上回る。
つまり、血中は酸素過剰の状態となり、デオキシヘモグロビンの割合は減少する
これはすなわち磁場の歪みの減少(BOLD 効果の減弱)に繋がり、結果としてMRI 信号は増大
 

まぁこんな感じのものを画像化してるよ。
ていうのがfMRI。

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