決算についてでふれたように、期中の損益は、決算時に繰越利益剰余金(繰越りえきじょうよきん)に振り替える。
剰余金はその後、定時株主総会を経て、配当・処分が行われる。
ここでは、その際の仕訳について順を追って整理する。
剰余金の配当と処分
株主総会での決定
A会社の株主総会で、繰越利益剰余金について、配当が次のように決定された。
配当金 50万円
また、会社法に準じて、以下の積み立てが決定された。
利益準備金 5万円
残りは次回の株主総会まで繰り越すことにした。
このような場合、仕訳は以下のようになる。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
繰越利益剰余金 | 550,000 | 未払配当金 | 500,000 |
利益準備金 | 50,000 |
剰余金の配当
その後、配当金は株主に配当されるが、この時、株主が納付すべき所得税・住民税等の金額をあらかじめ差し引いた金額で支払う(源泉徴収)
税率20%(所得税15%、住民税5%)とする。
この場合、配当時の仕訳は、
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
未払配当金 | 500,000 | 現金預金 | 400,000 |
預り金 | 100,000 |
となり、後日会社が税務署に税金を小切手で納付した際には、
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
預り金 | 100,000 | 当座預金 | 100,000 |
と仕訳する。
まとめ
簿記3級で求められる剰余金の仕訳は、上記の通りシンプルだが、内容のきちんとした理解のためには本や動画、講座などで詳しく学ぶことが望ましい。
上記の内容は、以下の書籍を参考とした。
ホントにゼロからの簿記3級 『ふくしままさゆきのホントに』シリーズ